2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

個人情報保護法の課徴金制度案について

「第6回 個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」を聞いたので、思ったことを書いておきます。 課徴金制度案の概要 今回事務局が提案した課徴金制度の概要は以下のとおりです(事務局説明資料)。 課徴金の要件として、①一定の義務に違反し…

情プラ法26条ガイドライン案について

危うい偽情報対策立法(経済安全保障政策としての偽・誤情報対策の論じ方 - Mt.Rainierのブログ、「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とりまとめ案に対するパブコメ意見 - Mt.Rainierのブログ)が一旦先送りされたようでよ…

貸金業該当性に関するノーアクションレター・グレーゾーン回答の読み方

貸金業該当性は、決済・信用を専門とする弁護士同士でディスカッションしても混乱するところだなあと思ったので整理してみました。実務の先端は佐野先生の『デジタル金融法務』の第5章(を前提にした個別判断)だと思いますが、まずは金融庁の判断事例を対象…

データ利活用法制の検討方法―今度こそ迷走しないために

政府がEUのData spacesを参考にデータ利活用法制を検討していますが(医療・金融のデータ利活用へ法整備 政府、年内に検討会 - 日本経済新聞、デジタル行財政改革会議(第8回)議事次第)、また迷走しそうだな〜と思ったので、それについて書いていきます。…

アンホステッドウォレットサービスの暗号資産交換業該当性に関するグレーゾーン回答について

令和6年10月8日にいわゆるアンホステッドウォレットサービスについて資金決済法上の暗号資産交換業(管理業)に該当しない旨のグレーゾーン回答をが公表されていますが、回答書だけを見ても分かりにくく、照会書と照合するのも大変なので、整理してみました。…

3年ごと見直し検討会における課徴金・差止請求制度の検討について

「第5回 個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」の課徴金・差止請求制度のパートを聞いたので、思ったことを書いておきます(残念ながら今後の検討のパートは聞けませんでした)。 課徴金の立法事実について。中核的な義務規定には立法事…

デジタル時代に必要な行政手続法とは個人情報保護法第5章のことに他ならないのではないか

「AIによる行政手続法の潜脱」というフレーズを聞いて、デジタル時代に必要な行政手続法ってなんだろうと考えたところ、それは個人情報保護法第5章(旧行個法)なんじゃないかと思ったので、それについて書いていきます。 「情報公開と個人情報保護は車の両…

居住実態がなくなった自治体の保険証を使用して3割負担で診察を受けた者の詐欺罪による摘発について

詐欺罪とデジタルID(健康保険の資格確認)に関して興味深い報道(保険証不正使用、医療費の支払い一部免れる 革労協主流派の女逮捕 - 産経ニュース)があったので、それについて書いていきます。まずは報道を読んだ上でお読みいただければと思います。 詐欺…