金融規制

2024年のデジタル政策を振り返る

2024年は、デジタル社会の実現に向けた政府の取り組みが本格化し、さらなる制度的変革への準備も進んだ年だったと感じています。本記事では、この変革期における日本のデジタル政策について、できるだけ相互の繋がりが分かる形で整理していきます。 サイバー…

貸金業該当性に関するノーアクションレター・グレーゾーン回答の読み方

貸金業該当性は、決済・信用を専門とする弁護士同士でディスカッションしても混乱するところだなあと思ったので整理してみました。実務の先端は佐野先生の『デジタル金融法務』の第5章(を前提にした個別判断)だと思いますが、まずは金融庁の判断事例を対象…

データ利活用法制の検討方法―今度こそ迷走しないために

政府がEUのData spacesを参考にデータ利活用法制を検討していますが(医療・金融のデータ利活用へ法整備 政府、年内に検討会 - 日本経済新聞、デジタル行財政改革会議(第8回)議事次第)、また迷走しそうだな〜と思ったので、それについて書いていきます。…

アンホステッドウォレットサービスの暗号資産交換業該当性に関するグレーゾーン回答について

令和6年10月8日にいわゆるアンホステッドウォレットサービスについて資金決済法上の暗号資産交換業(管理業)に該当しない旨のグレーゾーン回答をが公表されていますが、回答書だけを見ても分かりにくく、照会書と照合するのも大変なので、整理してみました。…

【最高裁】コインチェック流出NEM収受事件上告棄却判決について

3月に公表された論文(紹介記事)で論じた問題の1つについて、最高裁の判決がありましたので、それについて書いていきたいと思います(判決の読解が半分、論文の宣伝が半分です)。 本件の概要 本件の背景は論文に書いたとおりです(以下に引用します)。 20…

クレジットカードの国際ブランドによる「検閲」について

DLsiteのクレジットカード取引停止をきっかけに、国際ブランドによる検閲が注目されています。このような動きはFinancial censorshipと呼ばれ、過去には「わいせつ」コンテンツ(Pornhub、Patreonのような)のほか、Wikileaksやパレスチナの人権団体などでも…

「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書案と個人情報漏洩事案について

6月7日にビッグモーター事案、カルテル事案を受けた「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」の報告書案が公表され、また、5月23日に大手損保4社の乗合代理店における個人情報漏洩が公表されていましたので、それらについてコメントしま…