ログ保存WGにおける電通個情GL解説改正案について書いていきます。 解説改正案の概要 GL38条1項は、以下のように述べている。 「電気通信事業者は、通信履歴(利用者が電気通信を利用した日時、当該電気通信の相手方その他の利用者の電気通信に係る情報であ…
オンカジ検討会の中間論点整理案(骨子)が公表されていましたので、主として今後の(DNS/それ以外の)ブロッキングに関する議論への示唆という観点から、簡単に紹介します。 論点整理案の概要 「ブロッキングは、インターネット接続事業者(ISP)が、オン…
総務省の諸課題検討会広告WG中間取りまとめ、デジタル広告モニタリング指針案、広告主等向けガイダンスが出揃いましたので、それについて書いていきます。 なお、前回、「アドネットワークはDSA/情プラ法の規制対象となる(べき)か?」という記事を書いて…
前回、「デジタルサービス法に関するメモ:基本構造、違法情報の範囲、オンラインマーケットプレイス」という記事を書きましたが(なお、追記しています。)、その後、アドネットワークのオンラインプラットフォーム該当性という興味深い論文"The EU Digital…
DSAの基本構造と日本法にとって示唆的と思われる点に関するメモです。後者においては、諸課題検討会で明示的に議論されている論点には立ち入らず、違法情報の範囲と、オンラインマーケットプレイスに対する規制の2点を取り上げます。 DSAの基本構造 DSAの実…
越境移転規制、域外適用、(検討中の)個情法の第三者命令、(検討中の)情プラ法の再改正(特に迅速化規律の違法情報への拡張)に関して興味深かったので、紹介します。 プレスリリースについて Berlin Commissioner for Data Protection notifies Apple an…
JILISレポートのリクナビ事件に関する記載をまとめました。 JILISレポートの記載 「リクナビ事件におけるスコアリングは…「「リクナビ2020」の会員となった学生等の人生をも左右しうる」というハイリスクな状況で、利用目的の達成に厳密に必要とは言えないデ…
証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions, IOSCO)は、5月、証券会社等によるデジタル技術の使用やソーシャルメディアのリスクに関する4つの文書を公表しています:オンライン模倣取引慣行、デジタルエンゲージメント慣行…
一部執行停止決定がされていたのでメモです。 事実関係に関するメモ 公取委は最新のデータの提供を命じようとしたが、誤ってユーザーが入力したデータ(第三者により上書きされていることがあり、その場合上書き前のデータを復元する必要があるので、多大な…
「肖像と声のパブリシティ価値に係る現行の不正競争防止法における考え方の整理について」について、気になった点のメモです。 商品等表示関係 資料の記載 「<事例①>生成AIを用いて、ある人物の肖像を使用した写真を作成し、それを販売した場合/当該人物…
個情法3年ごと見直しに関して、2月下旬〜3月初め頃に有識者から提出された意見書が公開されていましたので、重要と思った部分を紹介していきます。その際、那須翔「個人情報保護法の論点」の関係箇所を示すことにします。 なお、各意見書は、形式的には「「…
興津先生(@yukio_okitsu)の「行政機関による非法的国際規範の国内における実現 : ココムとFATF」(「論文」)を拝読したので、感想を書いていきます。全て個人としての感想です。 業法、犯収法、マネロンGL、FATF勧告の相互関係はおそらく関係者の多くが気に…
「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方(案)について(個人データ等の取扱いの態様の多様化等に伴うリスクに適切に対応した規律の在り方)」について書いていきます。 前提 本文書は、2025年2月19日の第315回個人情報保護委員会の資料として公開され…
EU法を整理した上で日本法について書いていきます。高木・情報法制研究16号106頁もご参照ください。 EU法 法的根拠 EU法(GDPR)では、コントローラーは、同意、契約履行・締結、法的義務の遵守、生命保護、公的事務の遂行又は公的権限行使、正当利益のいず…
サイバー対処能力強化法案及び同整備法案の5点セットとパワポ資料が公表されていたので、パワポ資料に基づいてメモしていきます。 全体像 新法のうち、 官民連携に関わるのは、第2章(特別社会基盤事業者による特定侵害事象等の報告等)、第9章(協議会。基…
「個人情報保護法の制度的課題に対する考え方(案)について(個人データ等の取扱いにおける本人関与に係る規律の在り方)」(の特に同意原則の箇所)について書いていきます。 前提 本文書は、2025年2月5日の第314回個人情報保護委員会の資料として公開され…
話題になっていたのでメモです。かなりざっくりとした個人的理解であることにご留意ください。 憲法13条と35条 憲法13条は個人の私生活上の自由として「みだりに●●されない自由」を保障している。この自由は、京都府学連判決で初めて示され、指紋押捺判決、…
Opinion 28/2024 on certain data protection aspects related to the processing of personal data in the context of AI modelsに目を通したので、雑駁ですがそのメモです。 意見書は後述のとおり4項目(回答では2番目と3番目がまとめられているので3項目…
昨日、第2回データ利活用制度・システム検討会への個人情報保護委員会事務局提出資料について書きましたが、本日の第312回個人情報保護委員会に「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討」の今後の検討の進め方について(案)」という資料と、その…
第2回データ利活用制度・システム検討会への個人情報保護委員会事務局提出資料が、個情委の考えの変化を窺わせるとてもよい資料だと感じたので、それについて書いていきます。事務局ヒアリング資料はこちらにあります。(Twitterでの投稿の転載なので舌足ら…
ABEMA、ドラマに「後付け」広告 AIで商品画像合成 - 日本経済新聞を見て若干考えたことがあるので、それについて書いていきます。問題は2つあります。 ステマ規制の根拠は何か? 第1の問題は、ステマは表示主体を誤認させる行為であるが、それ自体が自主的合…
医療データスペース的なものを考える上で、日本の医療に関するレギュレーションの基本的な仕組みが分かる資料があればよいなと思ったのですが、すぐには見当たらなかったので、書いてみました。 医師法は、医師個人に関する法律である。 免許制(2条)、行政…
個情委の追加ヒアリング資料のうち、板倉先生、曽我部先生、高木先生の資料について、重要だと思った部分を紹介し、青字で感想を書いていきます。ページ番号はPDFのページ番号です。 板倉先生 外国法令調査 「いわゆる「各国物」については,単に条文を比較…
2024年は、デジタル社会の実現に向けた政府の取り組みが本格化し、さらなる制度的変革への準備も進んだ年だったと感じています。本記事では、この変革期における日本のデジタル政策について、できるだけ相互の繋がりが分かる形で整理していきます。 サイバー…
情報ネットワーク法学会からの帰りの飛行機の中で「公正な採用選考の基本」について若干考えたので、雑駁ですが書いていきます。 職安法3条と憲法14条1項 職安法3条は憲法14条と同趣旨とされている(倉重=白石編・実務詳解職業安定法87頁)。そのため、「憲…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 SNSは新聞のようなメディアなのか、通信サービスのような伝送インフラなのかが問題とされてきた。これに関して、米国では現在、SNSがリベラルなコンテンツを優先していると主張…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 刑事裁判において、証拠には関連性が必要だとされている。この関連性は自然的関連性と法的関連性に分けられるとされてきており(現在揺らいでいるものの)、証拠が要証事実につ…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 総務省は、2000年代後半の通信・放送法制の見直し(平成22年放送法・電波法改正として結実した。)において、 EU法を参考に、 放送のハード・ソフト分離、コンテンツ・伝送イン…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 LINEのアルバム写真が流出した件について、総務省は通秘漏洩に当たるという前提で対応している。これについて、「アルバムは通信というよりは通信を使ったサービスであり、通信…
「第6回 個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」を聞いたので、思ったことを書いておきます。 課徴金制度案の概要 今回事務局が提案した課徴金制度の概要は以下のとおりです(事務局説明資料)。 課徴金の要件として、①一定の義務に違反し…