ABEMA、ドラマに「後付け」広告 AIで商品画像合成 - 日本経済新聞を見て若干考えたことがあるので、それについて書いていきます。問題は2つあります。 ステマ規制の根拠は何か? 第1の問題は、ステマは表示主体を誤認させる行為であるが、それ自体が自主的合…
医療データスペース的なものを考える上で、日本の医療に関するレギュレーションの基本的な仕組みが分かる資料があればよいなと思ったのですが、すぐには見当たらなかったので、書いてみました。 医師法は、医師個人に関する法律である。 免許制(2条)、行政…
個情委の追加ヒアリング資料のうち、板倉先生、曽我部先生、高木先生の資料について、重要だと思った部分を紹介し、青字で感想を書いていきます。ページ番号はPDFのページ番号です。 板倉先生 外国法令調査 「いわゆる「各国物」については,単に条文を比較…
2024年は、デジタル社会の実現に向けた政府の取り組みが本格化し、さらなる制度的変革への準備も進んだ年だったと感じています。本記事では、この変革期における日本のデジタル政策について、できるだけ相互の繋がりが分かる形で整理していきます。 サイバー…
情報ネットワーク法学会からの帰りの飛行機の中で「公正な採用選考の基本」について若干考えたので、雑駁ですが書いていきます。 職安法3条と憲法14条1項 職安法3条は憲法14条と同趣旨とされている(倉重=白石編・実務詳解職業安定法87頁)。そのため、「憲…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 SNSは新聞のようなメディアなのか、通信サービスのような伝送インフラなのかが問題とされてきた。これに関して、米国では現在、SNSがリベラルなコンテンツを優先していると主張…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 刑事裁判において、証拠には関連性が必要だとされている。この関連性は自然的関連性と法的関連性に分けられるとされてきており(現在揺らいでいるものの)、証拠が要証事実につ…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 総務省は、2000年代後半の通信・放送法制の見直し(平成22年放送法・電波法改正として結実した。)において、 EU法を参考に、 放送のハード・ソフト分離、コンテンツ・伝送イン…
標記について、若干考えたことがあるので備忘として簡単に書き残しておきます。 LINEのアルバム写真が流出した件について、総務省は通秘漏洩に当たるという前提で対応している。これについて、「アルバムは通信というよりは通信を使ったサービスであり、通信…
「第6回 個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」を聞いたので、思ったことを書いておきます。 課徴金制度案の概要 今回事務局が提案した課徴金制度の概要は以下のとおりです(事務局説明資料)。 課徴金の要件として、①一定の義務に違反し…
危うい偽情報対策立法(経済安全保障政策としての偽・誤情報対策の論じ方 - Mt.Rainierのブログ、「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とりまとめ案に対するパブコメ意見 - Mt.Rainierのブログ)が一旦先送りされたようでよ…
貸金業該当性は、決済・信用を専門とする弁護士同士でディスカッションしても混乱するところだなあと思ったので整理してみました。実務の先端は佐野先生の『デジタル金融法務』の第5章(を前提にした個別判断)だと思いますが、まずは金融庁の判断事例を対象…
政府がEUのData spacesを参考にデータ利活用法制を検討していますが(医療・金融のデータ利活用へ法整備 政府、年内に検討会 - 日本経済新聞、デジタル行財政改革会議(第8回)議事次第)、また迷走しそうだな〜と思ったので、それについて書いていきます。…
令和6年10月8日にいわゆるアンホステッドウォレットサービスについて資金決済法上の暗号資産交換業(管理業)に該当しない旨のグレーゾーン回答をが公表されていますが、回答書だけを見ても分かりにくく、照会書と照合するのも大変なので、整理してみました。…
「第5回 個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する検討会」の課徴金・差止請求制度のパートを聞いたので、思ったことを書いておきます(残念ながら今後の検討のパートは聞けませんでした)。 課徴金の立法事実について。中核的な義務規定には立法事…
「AIによる行政手続法の潜脱」というフレーズを聞いて、デジタル時代に必要な行政手続法ってなんだろうと考えたところ、それは個人情報保護法第5章(旧行個法)なんじゃないかと思ったので、それについて書いていきます。 「情報公開と個人情報保護は車の両…
詐欺罪とデジタルID(健康保険の資格確認)に関して興味深い報道(保険証不正使用、医療費の支払い一部免れる 革労協主流派の女逮捕 - 産経ニュース)があったので、それについて書いていきます。まずは報道を読んだ上でお読みいただければと思います。 詐欺…
DSA・JILIS共催 「個人情報保護法シンポジウム」を視聴したので、取り急ぎ感想をまとめておきます。 個人データの有用性への配慮と個人の権利保護を分けて考えるべきではない(「今後の検討の進め方」 の2頁の上半分、中間整理の章立てに関して)。個人デー…
10月16日の第304回個人情報保護委員会で、「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた視点(案)」が議論されています。この「視点」は、これまでの3年ごと見直しの方向性を(正しい方向に)大きく転換する可能性がある内容を含んでおり…
3年ごと見直しにおいて、エンフォースメントを巡る対立が取り上げられていますが、真の争点は基本的な義務規定、特に第三者提供制限と不適正利用禁止規定なのではないかと思います(最後に書きますが、個人データ概念や同意概念はこれに付随する論点です)。…
個情法のQA7-53についていくつか思ったことがあるので、それについて書いていきます。 QA7-53 まず、QA7-53の関係箇所は以下のとおりです。 クラウドサービスには多種多様な形態がありますが、クラウドサービスの利用が、本人の同意が必要な第三者提供(法第…
「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とりまとめ案についてパブコメ意見を提出したので公開します。問題意識は経済安全保障政策としての偽・誤情報対策の論じ方 - Mt.Rainierのブログに書いたとおりです。 (当初提出しない…
総務省の「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ(案)」について、前回の記事 で検討の方法について若干のコメントをしましたが、その後いくつか思ったことがあるので、それについて書いていきます。 (追記:当初事…
昨年11月に設置され、偽・誤情報対策を中心とする「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」での検討について、とりまとめ案が出ていましたので、それについて書いていきます。 DSAー背景1 今回の検討の背景となっているのは、EU…
文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」はなかなか正確に理解されていない感じがありますが、その原因の1つは、同文書が前提としている平成30年著作権法改正に関する文化庁解説が理解されていないことにあると感じるので、それについて書いていきます…
国連サイバー犯罪条約案(A/AC.291/L.15)の仮訳です。背景等については国連サイバー犯罪条約案について - Mt.Rainierのブログをご参照ください。 本仮訳は、AIを使用して作成したドラフトを適宜加筆修正して作成しています。原文を読む前のインデックスとし…
国連サイバー犯罪条約案が総会で採択されたので、それについて書いていきます。能力と時間の問題で、現時点ではあまり詳細には書けませんが(正直なところ追えていませんでした)、今後継続的に見ていきたいと思います。 状況としては、最終段階で自由主義諸…
いわゆる能動的サイバー防御(漠然としたワードですが)について、中間整理に相当すると思われる文書が公開されているので、それについて書いていきます。 概ね適切な方向性であるものの、事務局が何を考えているのかが十分に示されておらず、議論が発散して…
3年ごと見直しの曽我部教授意見について、当初うまく飲み込めていなかったのですが、その後若干考えたことがあるので、それについて書いていきます。 曽我部教授意見 曽我部教授意見の概要は以下のとおりです(議事録をベースにしています。スライドも参照)…
-要配慮個人情報の推知の論点について、2022年8月1日のCJEU判例を見つけたので、事案と判断を紹介した上で、若干の検討を書いていきます。和訳は全て機械翻訳の上加筆修正したものです。 OT対リトアニア政府高官倫理委員会 事案の概要 事案の概要は以下のと…