詐欺対策

「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とりまとめ案に対するパブコメ意見

「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とりまとめ案についてパブコメ意見を提出したので公開します。問題意識は経済安全保障政策としての偽・誤情報対策の論じ方 - Mt.Rainierのブログに書いたとおりです。 (当初提出しない…

経済安全保障政策としての偽・誤情報対策の論じ方

総務省の「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ(案)」について、前回の記事 で検討の方法について若干のコメントをしましたが、その後いくつか思ったことがあるので、それについて書いていきます。 (追記:当初事…

「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」とりまとめ案について

昨年11月に設置され、偽・誤情報対策を中心とする「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」での検討について、とりまとめ案が出ていましたので、それについて書いていきます。 DSAー背景1 今回の検討の背景となっているのは、EU…

詐欺広告プラットフォームへの最もドラスティックな対処法

取引透明化法に基づくモニタリング会合で、一部の広告プラットフォーム運営者の対応が話題になっていますが、政府にはどのような武器があって、どのような武器がないのかを考えてみたいと思います。 取引透明化法というアプローチとその限界 経産省は、取引…

ステマ規制に違反したクリニックに対する措置命令について

6月6日にステマ規制に基づく措置命令が公表されましたが、ステマ規制に基づく初の執行例である点、診療所のステマ(投稿を条件に割引を行っていた)に対する執行例である点で興味深いので、それについて書いていきます。 概要 「消費者庁は、令和6年6月6日、…

窃盗罪における「意思に反する」占有移転の実質化と電算機詐欺罪の解釈

『刑法各論の悩みどころ』を読んでいたところ、以前論文を書く過程で読んだある論文のことを思い出したので書いてみます。 前提 最決平成19年4月13日刑集61巻3号340頁は、専らメダルの不正取得を目的として体感器と称する電子機器を使用する意図のもとにこれ…

なりすまし広告に対する様々なアプローチ:保護法益の切り分けと規制スキームの選択

人格権や詐欺についてはいろいろ考えてきたところ、ホットなトピックになっているようなので書いてみます。 概要 問題状況については、例えばフェイスブックなどSNSなりすまし、メタほぼ無回答 自民党「広告停止を」 - 日本経済新聞。 この問題は、なりすま…

那須翔「電子計算機使用詐欺罪における「虚偽の情報」の解釈・適用」の紹介

司法修習中に原案を書いた論文「電子計算機使用詐欺罪における『虚偽の情報』の解釈・適用」が、早稲田大学法科大学院のローレビューであるLaw and Practiceの第17号に掲載されましたので、紹介させていただきます。 電算機詐欺罪は、昭和62年(インターネッ…

暴力団員であることを秘してマイルを取得する行為の電算機詐欺罪による摘発例について

暴力団員が、暴力団員であることを秘してマイルを取得したことについて、電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されたとのことです。 https://mainichi.jp/articles/20231030/k00/00m/040/069000c 1 報道によれば以下のとおりです。 暴力団組員であることを隠して…